朝は時間がなく、夜は疲れて数えるのを忘れる。 記録を見ると、残っているのは昼食だけです。 途中で止まり、数日後に再開した跡もあります。
それを失敗と呼べる材料は、この記事が引く試験の中にはありません。 このサイトの咀嚼試験も、その多くが1食単位で調べたものだからです。
むせる、飲み込みにくい、入れ歯が合わない、歯が欠けている、被せ物が取れたまま、顎が痛む。 ひとつでも当てはまる人は、噛む回数を増やす前に歯科医師または嚥下を診ている医療機関へ相談してください。 この記事は、病院に行かなくてよいという意味ではありません。
この記事でわかること
- 引用した試験が何食分を測ったのか
- 1食で減ったものと、減らなかったもの
- 昼食での変化を夜まで広げて考えられるか
- 明日の昼食で数える項目
読了目安:約6分(本文約3,200字)
引いた試験が、何食分を測っているか
まず、4件の試験が測った時間の範囲を並べます。
| 根拠 | 対象 | 測った範囲 | 測っていないもの |
|---|---|---|---|
| E25 | 成人45名 | 昼食1食(満腹まで自由に) | 体重、翌日以降 |
| E26 | 成人41名 | 1食(一口15回と50回) | 体重、減少幅の数値 |
| E27 | 65歳以上の男性15名 | 1食とその後3時間 | 体重、3時間より先 |
| E28 | 過体重・肥満の成人201名 | 8週間(1日90分以上のガム) | 食事中の噛み方 |
1日3食を通して測った試験は、このサイトの一覧にはありません。 食事中の噛み方を変えた3件は、いずれも1食が出発点です。
その意味で、「昼だけ」は研究がやっている形とほぼ同じです。 ただし、これは「昼だけでいい」という許可ではありません。
この一覧が示すのは、もっと狭い範囲です。 1食単位の取り組みを失敗と呼べる材料が、この4件にはないということです。
なお、この4件はいずれも当サイトが抄録までしか確認できておらず、資金源は未確認です。 結果を読むときは、この限界も残ります。
1食変えたとき、その1食で何が起きているか
E25は、成人45名の昼食を調べた試験です。 各人の普段の回数を先に測り、その1.5倍と2倍を比べました。 ピザは、満腹になるまで自由に食べる条件でした。
普段どおりの条件と比べ、摂取量は1.5倍で9.5%減りました。 2倍では14.8%減ったという結果でした。 食事時間は延び、食べる速度は落ちています。
ただし、食事終了時から食後60分まで、主観的な食欲に差は出ていません。 「食べたい気持ちが減ったから量が減った」とは言えません。 この試験は単回の昼食を見たもので、体重は測っていません。
E26は、一口15回と50回を比べた試験です。 健常体重群と過体重群を合わせた41名が参加しました。 50回条件では、BMIによらず摂取エネルギーが減りました。
一方、抄録には減少幅の数値がありません。 そのため、効果の大きさはこの記事では出せません。 血糖とインスリンも、調べた全時点で有意には変化しませんでした。
2件から言えるのは、条件を変えたその食事で摂取量が減ったことです。 翌日の食事や、その後の体重まで同じ方向へ進むとは書けません。
「昼にやれば夜まで効く」とは書けません
E27は、65歳以上の男性15名を対象にしました。 量を固定した食事を、一口15回と40回で食べる試験です。 食後の状態を3時間追っています。
40回条件では、食後の空腹感(p=0.003)、食べ物へのとらわれ(p<0.001)、食べたい気持ち(p<0.001)が、いずれも有意に低い結果でした。 しかし、3時間後に自由に食べた食事の摂取量には差が出ていません。 ここは、昼食の変化を夜まで広げないために必要な結果です。
1食で出た差が、次の食事まで持ち越されたとは言えません。 「昼に多く噛めば、夜も食べる量が減る」とは書けないということです。
同時に、夜に数えなかったことで、昼の分が帳消しになるとも言えません。 そのような相殺を調べた試験は、この記事が引く範囲にはないからです。
血糖、インスリン、GIPの結果も、測った時点で方向が変わりました。 食事終了時には40回条件で高く、後半では低い結果でした。 「上がった」「下がった」の一語だけでは整理できません。
量を増やせば報われる、という前提は外しておく
E28は、過体重・肥満の成人201名を8週間追った試験です。 介入群102名と対照群99名に分け、主要アウトカムを体重としました。
介入群は、栄養情報の冊子に加えて1日90分以上のガム咀嚼を行いました。 対照群は冊子のみで、介入群の遵守率は95%を超えていました。 それでも、両群とも体重とBMIにはほとんど変化がありませんでした。
ウエスト周囲径は介入群内で減りました。 ただし、対照群との差は有意ではありません。 著者らは、減量を促進しなかったと結論づけています。
これはガム咀嚼の試験で、食事中の噛み方を調べた試験ではありません。 そのため、食事中の取り組みに同じ結果が出るとは言えません。
一方、「昼だけでは足りないから朝も夜も増やす」という判断も支えません。 毎日90分以上を8週間続けても、体重は動かなかったからです。 取り組む量と体重変化が比例するとは、この一覧からは読めません。
続け方の話(ここからは研究の結果ではありません)
ここから先はこのサイトが持っている試験の結果ではなく、書き手の考えです。 研究で確かめた「習慣化の方法」として紹介するものではありません。
1つ目は、対象を1食に絞ることです。 朝昼晩をまとめて変えず、記録が残りやすい食事を一つ選びます。
2つ目は、記録する項目を1つにすることです。 回数、時間、食欲、食事量を一度に記録せず、先に一つだけ決めます。
3つ目は、合計ではなく一口あたりで数えることです。 1食の量が違っても、「一口」という同じ単位で記録できます。
これらは結果を約束する方法ではありません。 記録の対象を増やしすぎないための、書き手からの提案です。
明日、ひとつだけ
昼食の一口あたりの回数を、1食だけ数えます。 数えるのは1食の合計回数ではありません。
食事中の噛み方を調べた3件は、一口あたりの回数か、普段の一口あたりの回数に対する倍率で条件を作っています。 これとは別に、ガムの試験は1日90分以上の咀嚼を条件にしています。 ガムの試験も、食事1食の合計回数を条件にしたものではありません。
1食の合計回数で条件を作った試験は、この一覧にはありません。 まずは、昼食の一口をいくつか数え、普段の位置を記録します。
よくある質問
昼だけでも意味はありますか?
1食の条件を変え、その食事の摂取量が減った試験はあります。 ただし、昼食だけで十分か、長期的な変化があるかは答えられません。 少なくとも、1食だけの記録を失敗とする材料は、この4件にはありません。
夜もやらないと意味がないですか?
この記事が引く範囲では、夜も行う必要性は判断できません。 1食の変化が次の食事まで続いたとは言えませんが、夜に行わないと昼の分が消えるとも示されていません。
何回噛めばいいですか?
一つの回数を全員に勧められる結果ではありません。 試験には一口15回と50回、15回と40回の比較がありました。 普段の回数を基準に倍率を変えた試験もあります。
対象や試験の条件が違うため、共通の目標回数にはできません。 明日は目標を決めず、昼食で普段の一口が何回かを数えます。
体調の変化や、思い当たる理由のない体重の変化があるときは、噛み方の記録より先に医療機関へ相談してください。
まとめ
- 食事中の噛み方を調べた試験は、1食単位が中心です。
- 昼だけの記録を失敗と呼べる材料は、この4件にはありません。
- 明日は、昼食の一口あたりの回数だけを数えます。
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この記事は情報提供を目的としており、診断や治療の代わりにはなりません。
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