糖質制限も、16時間断食も、置き換えも、いまはやっていない。そういう状態で4つ目を探しに来た人へ書きます。
先に言っておきます。このサイトは、次のダイエット法を渡せません。その代わり、何がわからないのか、何なら見られるのかを書きます。
むせる、飲み込みにくい、入れ歯が合わない、歯が欠けている、被せ物が取れたまま、顎が痛む。 ひとつでも当てはまる人は、噛む回数を増やす前に歯科医師または嚥下を診ている医療機関へ相談してください。 この記事は、病院に行かなくてよいという意味ではありません。
この記事でわかること
- やめた3つを、このサイトが評価できない理由
- 咀嚼を4つ目の方法として渡せない理由
- 明日、何も変えずに1食だけ数えて終える形
読了目安:約7分(本文約3,330字)
やめた3つについて、このサイトは何も言えません
糖質制限も、16時間断食も、置き換えもやめた。その3つを「3回失敗した」と数えているかもしれません。けれど、このサイトには、その数え方を支える材料がありません。
このサイトは、糖質制限の文献を1件も持っていません。16時間断食と置き換えについても、同じです。ですから、3つの良し悪しをここで判断することはできません。
効果があるかどうかを保留しているのではありません。危険性を確かめたうえで黙っているのでもありません。評価しないのではなく、評価する材料が無いのです。
だから、続かなかった原因を説明することもできません。やめた判断を採点することもできません。3という数を、失敗の回数に置き換える根拠が、ここにはありません。
空欄のままでは頼りなく見えると思います。それでも、持っていない文献で結論を埋めることはできません。ここがこの記事の限界です。
噛むことも、4つ目にはなれません
では、噛むことなら体重を動かせるのでしょうか。このサイトが持つ文献では、そうは答えられません。体重を主要アウトカムに置いた試験は、1件しかありません。
その試験は、過体重または肥満の成人201名を対象にした8週間のランダム化比較試験でした。介入群102名と対照群99名に分けられ、両群に栄養情報の冊子が渡されました。介入群には、1日90分以上のガム咀嚼も加えられています。遵守率は95%を超えていました。
それでも、両群とも体重とBMIはほとんど動きませんでした。intention-to-treat解析での結果です。ここまでの数字はE28で確認できます。
ウエスト周囲径は、介入群内で平均1.4±5.3 cm減りました(p=0.0128)。ただし、介入群と対照群の差は有意ではありません。血圧も同じ形で、介入群内では下がったものの、群間の差はありませんでした。介入群だけの前後差を、介入の効果として読むことはできません。
著者らの結論ははっきりしています。8週間の定期的なガム咀嚼は、減量を促進しませんでした。咀嚼を扱うこのサイトにとって、都合のよい結果ではありません。
もうひとつ、対象を取り違えないことも大切です。これはガムを噛み続ける試験であって、食事をどう噛むかを調べた試験ではありません。当サイトが確認できたのは抄録までで、資金源と利益相反は確認できていません。
201名が8週間、遵守率95%超で取り組んで、主要アウトカムは動かなかった。これが、噛むことを4つ目のダイエット法として渡せない理由です。
このサイトの試験は「始めて続ける」形をしていません
方法を渡せないなら、この記事に残るものは何か。ここから先は、そこを書きます。
成人45名の試験は、固定の目標回数を配りませんでした。まず各人の普段の咀嚼回数を測り、そのうえで普段どおり・150%・200%の3条件で昼食を食べてもらっています。昼食はピザで、満腹まで自由に食べる形でした。
摂取量は150%で9.5%、200%で14.8%減りました。食事時間は延び、食べる速度は落ちています。一方、食事終了時から食後60分までの主観的な食欲には、条件による差が出ませんでした。ここまではE25で確認できます。
ただし、これは単回の昼食を見た試験です。体重は測っていません。抄録までしか確認できておらず、資金源は未確認です。
もう1件は、65歳以上の男性15名を対象にしています。量を2050 kJに固定した食事を、一口15回と40回の条件で食べ、3時間追跡しました。40回の条件では、食後の空腹感が有意に低い結果でした(p=0.003)。ここはE27にあります。
ところが、3時間後に自由に食べた食事の量には差が出ていません。1食で見えたものが、次の食事まで続いたとは言えないということです。こちらも抄録までの確認で、資金源は未確認です。
対象が65歳以上の男性15名だった点も、流せません。年齢も性別も異なる読者に、この15名の結果をそのまま当てはめることはできません。
2件に共通しているのは、測り方のほうです。片方は各人の普段を測るところから始め、もう片方は量を固定した1食と、その3時間後を見ました。どちらも、日々続けた先の変化を追った試験ではありません。
ここから先は、研究の結論ではなく、書き手の見方です。
普段の咀嚼は、何かを始める前から毎日の食事で起きています。このサイトの根拠が見ているのは、新しく始めて続ける行動ではなく、すでに起きているそれのほうです。だとすれば、「始めた」も「やめた」も、そもそも当てはまる形ではありません。
繰り返しますが、これは研究が結論づけたことではありません。この2件は、続いたかどうかの判定を何もしていません。
「で、結局なにを食べればいいの?」に、答えられません
食べるものを決めてほしい、という気持ちは残ると思います。けれど、このサイトは食べるものを指定する文献を持っていません。ここで献立を渡せば、持っていない根拠を足すことになります。
答えを避けているのではありません。この問いに答える材料が、このサイトに無いだけです。出せない答えを、便利そうな提案で埋めることはしません。食べるものについては、空欄のままにします。
明日、ひとつだけ
明日は1食だけ、何も変えずに食べてください。その食事で、普段の一口あたりの咀嚼回数を数えます。それだけです。
回数を増やす目標は置きません。多いか少ないかも採点しません。数えたら、その1食で終わりです。翌日も続ける予定は要りませんし、記録を積み上げる必要もありません。
数えるのは、変えるための準備ではありません。この形にした理由は、E25の設計にあります。あの試験も、回数を配るより前に、各人の普段を測るところから始めていました。ただし、同じ試験を再現するという意味ではありません。
4つ目の方法を始めるのではなく、やめる対象も増やさない。何も変えずに、すでに起きていることを1回だけ見て終える。この記事が渡せるのは、ここまでです。
よくある質問
噛む回数を増やせば体重は落ちますか
このサイトは、落ちるとは答えられません。体重を主要アウトカムに置いた試験では、8週間後も体重とBMIがほぼ動いていませんでした(E28)。しかもそこで調べられたのは、食事中の噛み方ではなくガム咀嚼です。
何回噛めばいいですか
このサイトは、目標値を配れません。普段の回数を先に測る形の試験はありますが(E25)、そこでも固定の目標値が配られたわけではありませんでした。まず数えるだけなら、目標を決める必要はありません。
体調や食事のことがつらいときは
食べること自体がつらいときは、抱え込まなくてかまいません。医療機関に相談してよい状態です。冒頭に挙げた症状がある場合も、回数を増やす前に相談してください。
まとめ
- やめた3つについて、このサイトは良し悪しを言える材料を持っていません。
- 咀嚼も、次の方法としては渡せません。体重を主要アウトカムに置いた試験で動かなかったからです。
- 明日できるのは、1食だけ何も変えずに普段の回数を数えて終えることです。
次に読む
この記事は情報提供を目的としており、診断や治療の代わりにはなりません。
正しい咀嚼を、もっと楽しく。
研究で報告されているメリットを、あなたの日常へ。MoguExerciseはあなたの健康的な食習慣をサポートします。