この記事は以前「咀嚼による側頭筋ポンプで頭皮インフラを再構築する」という前提で書かれていました。咀嚼が毛髪を改善することを示した研究は確認できなかったため、2026年8月に前提ごと書き直しています。
咀嚼で毛髪が太くなるという説についてはこちらの記事で詳しく書きました。結論だけ書くと、噛んでいる最中に頭皮の血流が上がることを測った研究と、咀嚼習慣と毛髪の太さの関連を見た横断調査はありますが、噛む量を変えて毛髪を追った研究はありません。
ここでは、その説とは切り離して「毛髪の太さを記録すること自体」について書きます。
なぜ本数より太さなのか
抜け毛の本数は日によって大きくぶれます。洗髪の頻度、季節、そのとき何本が休止期にあったか。本数だけを見て一喜一憂するのは、材料として不安定です。
毛髪の太さは、それに比べると変化がゆっくりです。ある程度の期間をおいて比べる指標としては、本数よりは扱いやすくなります。
E12 の研究も、評価の指標として毛髪の太さを使っています。健常男性9名にマッサージ機器を24週間使ってもらい、0.085mmから0.092mmに増えたという報告です(同じ人の反対側頭皮を無処置の対照としています)。
この数字を見てほしいのは、変化の小ささです。 24週間で0.007mm。指で触って分かる量ではありません。記録するなら道具が要ります。
自宅でできる記録の仕方
抜けた毛を並べて撮る
自然に抜けた毛を数本、白い紙の上に並べて、定規と一緒に写真を撮ります。同じ距離・同じ明るさで撮ることが大事です。
比較するのは月単位です。週単位では差が出ません。
記録しておくこと
- 撮影日
- 抜けた毛の本数(参考程度に)
- そのとき変えたこと(シャンプー、睡眠時間、食事、通院や薬の開始など)
変えたことを書いておかないと、あとで何が効いたのか分からなくなります。 逆に言えば、複数のことを同時に変えると、原因は特定できません。
この記録から言えないこと
自己観察の記録は、自分の変化を追うためのものであって、原因を特定するものではありません。
- 季節による変動があります
- 加齢による変化があります
- 測り方のばらつきが、変化そのものより大きいことがあります
- そもそも自宅の撮影で0.007mmの差は捉えられません
医療機関ではマイクロスコープで頭皮と毛髪を拡大して観察します。きちんと知りたいなら、そちらが確実です。
記録が向いている場面
数字を追うこと自体が目的化すると、かえってしんどくなることがあります。毎日鏡を見て一喜一憂するより記録のほうが落ち着く、という人には向いています。
逆に、記録することで不安が強くなるなら、やめたほうがいいです。髪の状態が気になってつらいときは、記録を続けるより医療機関に相談するほうが早く楽になります。
皮膚科、またはAGA・FAGAを扱う医療機関へ。このサイトは咀嚼に関する研究を紹介する場所で、医療専門職の監修は受けていません。
※この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。
正しい咀嚼を、もっと楽しく。
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